物件選び・エリア 公開: 2025.01.23
インスペクションの活用法|築古物件の調査ポイント
インスペクションとは
インスペクション(建物状況調査)とは、建築士などの専門家が建物の状態を調査するサービスです。
2018年4月から宅建業法が改正され、不動産売買時にインスペクションの説明が義務化されました。
調査項目
基本調査項目
| 部位 | 調査内容 |
|---|---|
| 外壁 | ひび割れ、剥がれ、塗装劣化 |
| 屋根 | 瓦のずれ、防水層の劣化 |
| 基礎 | ひび割れ、沈下、腐食 |
| 床下 | シロアリ被害、湿気、腐朽 |
| 小屋裏 | 雨漏り痕、断熱材の状態 |
| 設備 | 給排水、電気、ガス |
築古木造で特に重要な項目
-
雨漏りの有無
- 天井・壁のシミ
- 小屋裏の雨漏り痕
-
シロアリ被害
- 床下の蟻道
- 木部の食害
-
構造材の状態
- 土台・柱の腐朽
- 傾き・歪み
-
外壁・屋根の劣化
- 塗装の剥がれ
- 防水層の劣化
インスペクションの流れ
1. 業者選定・依頼
↓
2. 日程調整(売主の許可取得)
↓
3. 現地調査(2〜3時間)
↓
4. 報告書受領(1週間程度)
↓
5. 結果を契約交渉に活用
費用の目安
| 物件規模 | 費用目安 |
|---|---|
| 戸建・小規模アパート | 5〜8万円 |
| 中規模アパート(6〜10戸) | 8〜12万円 |
| 大規模物件 | 15万円〜 |
オプションで床下進入調査、屋根上調査などを追加すると費用が増えます。
調査結果の活用法
1. 購入判断
重大な瑕疵が見つかった場合、購入を見送る判断ができます。
購入中止を検討すべきケース:
- 構造材に深刻な腐朽がある
- シロアリ被害が広範囲に及ぶ
- 基礎に大きなひび割れがある
- 雨漏りが複数箇所で発生
2. 価格交渉
修繕が必要な箇所が見つかれば、その費用を根拠に価格交渉できます。
例:
- 外壁塗装が必要 → 150万円分の値引き交渉
- 給排水管の交換が必要 → 100万円分の値引き交渉
3. 修繕計画の作成
いつ、どの部分に、いくらの修繕費用がかかるかを予測できます。
4. 契約条件への反映
瑕疵担保責任や修繕条件を契約書に盛り込む根拠になります。
依頼先の選び方
資格
- 既存住宅状況調査技術者(国交省認定)
- 建築士
選定ポイント
- 実績:築古物件の調査経験
- 独立性:売主・仲介業者と利害関係がない
- 報告書:写真付きで詳細な報告書を作成
- 保険:万が一の見落とし時の賠償保険加入
インスペクションの限界
インスペクションは非破壊検査が基本です。
わからないこと:
- 壁内部の配管状態
- 天井裏の全域
- コンクリート内部の鉄筋腐食
見えない部分に隠れた瑕疵がある可能性は残ります。
費用対効果
数千万円の投資に対して、5〜15万円のインスペクション費用は安い保険です。
見逃した場合のリスク:
- シロアリ被害の駆除・補修:50〜200万円
- 雨漏り補修:30〜100万円
- 外壁塗装:100〜200万円
- 給排水管交換:50〜150万円
インスペクションで事前に把握できれば、想定外の出費を防げます。
まとめ
- インスペクションは築古物件購入の必須プロセス
- 費用は5〜15万円で、投資額に対して安い保険
- 購入判断、価格交渉、修繕計画に活用可能
- 契約前のタイミングで依頼する


