融資・資金計画 公開: 2025.01.15
2棟目以降の融資戦略|与信枠の管理方法
複数物件投資の考え方
不動産投資で資産を拡大するには、複数物件の購入が有効な戦略です。
ただし、2棟目以降の融資は1棟目より難易度が上がるため、計画的な与信枠管理が必要です。
与信枠の基本
与信枠の計算方法
金融機関は、借入人の返済能力を以下の要素で判断します。
| 判断要素 | 内容 |
|---|---|
| 年収 | 給与収入、事業収入、不動産収入 |
| 既存借入 | 住宅ローン、投資ローン、カードローン等 |
| 資産状況 | 預貯金、有価証券、不動産 |
| 勤務先・勤続年数 | 安定性の評価 |
与信枠の目安
与信枠 ≒ 年収 × 5〜10倍 - 既存借入残高
| 年収 | 与信枠目安(既存借入なし) |
|---|---|
| 1,000万円 | 5,000〜1億円 |
| 2,000万円 | 1〜2億円 |
| 3,000万円 | 1.5〜3億円 |
2棟目融資が難しくなる理由
1. 与信枠の消費
1棟目の借入で与信枠が減少するため、2棟目に使える枠が限られます。
例)年収1,500万円、与信枠1億円の場合
- 1棟目:7,000万円借入 → 残り与信枠3,000万円
- 2棟目:3,000万円までしか借入困難
2. 返済比率の上昇
既存の返済に新規物件の返済が加わり、返済比率(返済額÷収入)が上昇します。
金融機関は返済比率40〜50%以内を目安としています。
3. 金融機関の慎重姿勢
「急拡大」を警戒し、2棟目以降は審査が厳しくなる傾向があります。
2棟目以降の融資を成功させる戦略
戦略1:1棟目の運営実績を作る
| 実績項目 | 評価ポイント |
|---|---|
| 入居率 | 95%以上を維持 |
| 収支報告 | キャッシュフローがプラス |
| 滞納なし | 家賃回収が安定 |
| 適切な修繕 | 物件を適切に管理 |
1〜2年の良好な運営実績があれば、2棟目の融資審査で有利になります。
戦略2:異なる金融機関を活用
| 棟数 | 金融機関選択 |
|---|---|
| 1棟目 | メインバンク(地銀・信金) |
| 2棟目 | 別の地銀・信金 |
| 3棟目 | ノンバンク |
金融機関ごとに与信枠の考え方が異なるため、分散することで融資総額を増やせます。
戦略3:法人を活用
個人の与信枠が限界に達したら、**資産管理会社(法人)**を設立し、法人名義で融資を受ける方法があります。
| 名義 | 与信枠 |
|---|---|
| 個人 | 年収ベース |
| 法人 | 事業計画・担保ベース |
法人であれば、個人の与信枠とは別枠で融資を受けられる可能性があります。
戦略4:自己資金比率を高める
2棟目以降は、自己資金を多めに入れることで融資を受けやすくなります。
| 自己資金比率 | 融資の受けやすさ |
|---|---|
| 10% | 難しい |
| 20% | 可能性あり |
| 30%以上 | 受けやすい |
戦略5:物件の収益性を重視
高利回り物件を選ぶことで、金融機関からの評価が上がります。
物件の収益性が高い
→ 返済余力が大きい
→ 融資審査で有利
複数物件購入のシミュレーション
条件
- 年収:2,000万円
- 与信枠目安:1.5億円
購入計画例
| 時期 | 物件 | 物件価格 | 借入額 | 与信残 |
|---|---|---|---|---|
| 1年目 | 1棟目 | 6,000万円 | 4,800万円 | 1.02億円 |
| 3年目 | 2棟目 | 5,000万円 | 4,000万円 | 6,200万円 |
| 5年目 | 3棟目 | 4,000万円 | 3,200万円 | 3,000万円 |
| 6年目 | 法人設立 | - | - | 法人で別枠確保 |
| 7年目 | 4棟目(法人) | 8,000万円 | 6,400万円 | - |
まとめ
- 2棟目以降は与信枠管理と戦略的な金融機関選びが重要
- 1棟目の運営実績(1〜2年)を作ってから2棟目を検討
- 異なる金融機関を活用して融資総額を増やす
- 法人設立で個人与信枠とは別枠を確保
- 自己資金比率を高め、高利回り物件を選ぶことで審査を有利に
複数物件への投資は資産拡大の有効な手段です。計画的に与信枠を管理し、着実に物件を増やしていきましょう。


