この記事でわかること

Q. 収支シミュレーションで最低限計算すべき項目は何ですか?
A. 最低限、①表面利回り、②実質利回り、③年間キャッシュフロー、④返済比率の4項目は計算しましょう。さらに、空室率を変えた場合や金利が上昇した場合のストレステストも行うと安心です。
Q. 事業計画書は必ず必要ですか?
A. 必須ではありませんが、作成することで融資審査が有利になります。特に築古物件や2棟目以降の融資では、投資の妥当性を説明する事業計画書があると金融機関からの評価が上がります。
Q. シミュレーションはどのくらいの期間で作るべきですか?
A. 最低5年、できれば10年程度のシミュレーションを作成しましょう。4年償却の場合、償却終了後の5年目以降の収支が重要になるため、償却前後の変化を明確にしておくことが大切です。
投資シミュレーションの作り方|収支計画書の書き方
融資・資金計画 公開: 2025.01.15

投資シミュレーションの作り方|収支計画書の書き方

収支シミュレーションの重要性

収支シミュレーションとは、物件購入から運営、売却までの収支を予測する計算のことです。

不動産投資の成否を左右する重要な作業であり、融資審査でも重視されます。

基本的な収支項目

収入項目

項目内容
家賃収入メインの収入源
共益費共用部分の管理費
駐車場収入駐車場がある場合
その他収入自動販売機、看板料など

支出項目

項目目安
管理費家賃収入の3〜5%
修繕積立金家賃収入の5〜10%
固定資産税・都市計画税物件による
火災保険料年間5〜15万円
ローン返済借入条件による
管理会社への委託費家賃収入の5%

利回り計算

表面利回り(グロス利回り)

表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

  • 物件価格:5,000万円
  • 年間家賃収入:500万円
  • 表面利回り:500万円 ÷ 5,000万円 × 100 = 10%

実質利回り(ネット利回り)

実質利回り = (年間家賃収入 − 経費)÷(物件価格 + 諸費用)× 100

  • 物件価格:5,000万円
  • 諸費用:350万円(物件価格の7%)
  • 年間家賃収入:500万円
  • 年間経費:100万円
  • 実質利回り:(500万円 − 100万円)÷(5,000万円 + 350万円)× 100 = 7.5%

キャッシュフロー計算

年間キャッシュフロー

キャッシュフロー = 家賃収入 − 経費 − ローン返済

項目金額
年間家賃収入500万円
管理費・修繕積立▲50万円
固定資産税等▲30万円
火災保険料▲10万円
管理委託費▲25万円
営業利益385万円
ローン返済(元利)▲250万円
キャッシュフロー135万円

返済比率

返済比率 = 年間ローン返済額 ÷ 年間家賃収入 × 100

目安:50%以下が健全

  • 年間家賃収入:500万円
  • 年間返済額:250万円
  • 返済比率:250万円 ÷ 500万円 × 100 = 50%

10年シミュレーション例

前提条件

項目条件
物件価格5,000万円(建物3,000万円、土地2,000万円)
借入額4,000万円
金利2.5%
融資期間20年
表面利回り10%

年次収支予測

家賃収入経費返済CF減価償却不動産所得
1500万115万254万131万750万▲365万
2490万115万254万121万750万▲375万
3480万115万254万111万750万▲385万
4470万115万254万101万750万▲395万
5460万120万254万86万0340万
6450万120万254万76万0330万
7445万120万254万71万0325万
8440万125万254万61万0315万
9435万125万254万56万0310万
10430万125万254万51万0305万

※4年償却終了後(5年目以降)は不動産所得が黒字化し、税負担が増加

ストレステスト

空室率シナリオ

シナリオ空室率年間CF
楽観5%156万円
標準10%131万円
悲観20%81万円
最悪30%31万円

金利上昇シナリオ

シナリオ金利年間返済年間CF
現状2.5%254万円131万円
+1%3.5%279万円106万円
+2%4.5%304万円81万円

事業計画書の書き方

構成

  1. 投資概要

    • 物件情報
    • 購入目的
    • 投資方針
  2. 市場分析

    • エリアの賃貸需要
    • 競合物件の状況
    • 将来の見通し
  3. 収支計画

    • 10年間のシミュレーション
    • 複数シナリオの検討
  4. リスク分析

    • 想定されるリスク
    • 対応策
  5. 出口戦略

    • 売却時期の目安
    • 想定売却価格

作成のポイント

  1. 保守的な数字で作る:楽観的な予測は避ける
  2. 根拠を明示:家賃設定、経費見積もりの根拠を説明
  3. 複数シナリオを用意:悲観シナリオでも返済可能なことを示す
  4. 見やすいフォーマット:表やグラフを活用

まとめ

  • 収支シミュレーションは不動産投資の成否を左右する重要な作業
  • 表面利回りだけでなく、実質利回りとキャッシュフローを計算
  • 4年償却後の収支変化を必ずシミュレーション
  • 空室率上昇・金利上昇のストレステストを実施
  • 事業計画書は保守的な数字で、根拠を明示して作成

シミュレーションは物件購入の判断材料であり、融資審査の武器にもなります。時間をかけて丁寧に作成しましょう。

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