税務・確定申告 公開: 2025.01.15
青色申告のメリット|65万円控除を受ける条件
青色申告とは
青色申告とは、一定の帳簿を備え付けて正確な記帳を行うことを条件に、税制上の優遇措置を受けられる制度です。
白色申告と比較して多くのメリットがあります。
青色申告のメリット
1. 青色申告特別控除
所得から一定額を控除できます。
| 控除額 | 条件 |
|---|---|
| 65万円 | 複式簿記+e-Tax申告(または電子帳簿保存)+事業的規模 |
| 55万円 | 複式簿記+事業的規模 |
| 10万円 | 簡易簿記または非事業的規模 |
2. 青色事業専従者給与
家族従業員への給与を全額必要経費にできます(届出必要)。
| 申告種類 | 家族への給与 |
|---|---|
| 青色申告 | 届出額まで全額経費 |
| 白色申告 | 配偶者86万円、その他50万円まで |
3. 純損失の繰越控除
赤字(純損失)を翌年以降3年間繰り越して、将来の黒字と相殺できます。
1年目:赤字500万円(繰越)
2年目:黒字300万円 − 繰越500万円 = 課税0円(残り繰越200万円)
3年目:黒字200万円 − 繰越200万円 = 課税0円
4. 貸倒引当金
売掛金や貸付金の貸倒れに備えて、引当金を経費計上できます。
5. 少額減価償却資産の特例
30万円未満の資産を一括で経費計上できます(年間合計300万円まで)。
65万円控除を受ける条件
必須条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 事業的規模 | 5棟10室以上 |
| 複式簿記 | 貸借対照表・損益計算書を作成 |
| e-Tax申告 | 電子申告で提出 |
e-Taxを使わない場合
e-Taxを使わない場合は55万円控除になります。
代替手段
- 電子帳簿保存法に基づく帳簿の電子保存
非事業的規模の場合
5棟10室未満の場合は、10万円控除のみ適用可能です。
青色申告の始め方
ステップ1:青色申告承認申請書の提出
| 提出先 | 所轄税務署 |
|---|---|
| 提出期限 | 青色申告を始める年の3月15日まで |
| 新規開業の場合 | 開業日から2ヶ月以内 |
ステップ2:帳簿の準備
| 帳簿の種類 | 必要書類 |
|---|---|
| 複式簿記 | 仕訳帳、総勘定元帳、貸借対照表、損益計算書 |
| 簡易簿記 | 現金出納帳、売掛帳、買掛帳など |
ステップ3:日々の記帳
収入・支出を継続的に記録します。会計ソフトの利用がおすすめです。
ステップ4:確定申告
青色申告決算書を作成し、確定申告書と一緒に提出します。
複式簿記の基本
仕訳の例
家賃収入の計上
(借方)普通預金 100,000 /(貸方)家賃収入 100,000
減価償却費の計上
(借方)減価償却費 1,000,000 /(貸方)建物 1,000,000
会計ソフトの活用
| ソフト | 特徴 |
|---|---|
| freee | クラウド型、初心者向け |
| マネーフォワードクラウド | 自動仕訳機能充実 |
| 弥生会計 | 定番、サポート充実 |
会計ソフトを使えば、複式簿記の知識がなくても帳簿作成が可能です。
青色申告と白色申告の比較
| 項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 特別控除 | 10〜65万円 | なし |
| 専従者給与 | 全額経費 | 上限あり |
| 純損失の繰越 | 3年間 | 不可 |
| 記帳義務 | 複式簿記(65万円の場合) | 簡易な記帳 |
| 申告準備の手間 | やや多い | 少ない |
注意点
青色申告の取消し
以下の場合、青色申告の承認が取り消されることがあります。
- 帳簿の備付け・記録がない
- 申告期限を2年連続で守らない
- 重大な不正行為
事業的規模の判定
5棟10室は「形式基準」であり、実質的に事業と認められる場合も事業的規模と判定されることがあります。
まとめ
- 青色申告は税制上の優遇措置が多い
- 65万円控除には事業的規模+複式簿記+e-Taxが必要
- 承認申請は3月15日まで(新規開業は2ヶ月以内)
- 会計ソフトを使えば複式簿記も比較的簡単
- 純損失の3年間繰越控除も大きなメリット
不動産投資を行うなら、青色申告の承認を受けておくことをおすすめします。


