この記事でわかること

Q. 買換え特例とは何ですか?
A. 買換え特例とは、事業用資産を売却して新たな事業用資産を購入した場合に、売却益の一部の課税を将来に繰り延べられる制度です。すぐに税金を払う必要がなくなるため、手元資金を次の投資に活用できます。
Q. 投資用不動産でも買換え特例は使えますか?
A. はい、「特定事業用資産の買換え特例」が使える場合があります。ただし、適用には厳しい要件があり、個人の不動産投資では使いにくいケースも多いです。法人での活用や、事業用不動産(事務所等)では適用しやすくなります。
Q. 買換え特例と3,000万円控除はどちらが有利ですか?
A. 3,000万円特別控除は課税を免除しますが、買換え特例は課税の繰延べです。一般的に控除の方が有利ですが、投資用不動産には3,000万円控除が使えないため、買換え特例が選択肢になります。どちらが有利かは個別にシミュレーションが必要です。
買換え特例の活用法|売却益の課税繰延べ
出口戦略・売却 公開: 2025.01.15

買換え特例の活用法|売却益の課税繰延べ

買換え特例とは

買換え特例とは、事業用資産を売却して新たな事業用資産を購入した場合に、売却益の課税を将来に繰り延べられる制度です。

正式名称は「特定事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例」といいます。

買換え特例の仕組み

課税の繰延べ

買換え特例は、課税の「免除」ではなく「繰延べ」です。

売却時:課税を繰り延べ

買換え資産を保有

買換え資産を売却時:繰り延べた税金+新たな税金を支払い

繰延べ割合

売却益の**80%**が繰延べの対象となります(残り20%は課税)。

特定事業用資産の買換え特例

主な適用パターン

パターン内容
10年超所有の土地等→国内の土地等長期保有資産の買換え
既成市街地等→それ以外の地域都心から郊外への買換え
航空機騒音障害区域→それ以外特定地域からの移転

適用要件(長期所有の買換え)

要件内容
譲渡資産国内の土地等・建物等(10年超所有)
買換資産国内の土地等・建物等(事業用)
買換期間売却年、前年、翌年のいずれか
買換資産の使用取得後1年以内に事業用として使用

事業用の定義

「事業用」とは、以下のような用途です。

事業用に該当事業用に該当しない
賃貸業(不動産所得)自己居住用
事業所・店舗別荘・セカンドハウス
駐車場業生活用資産

住宅の賃貸業も「事業用」に該当するため、投資用不動産でも適用の可能性があります。

計算方法

基本的な計算

売却価格 ≦ 買換資産の取得価額の場合

課税される譲渡所得 = 譲渡益 × 20%
繰り延べられる金額 = 譲渡益 × 80%

売却価格 > 買換資産の取得価額の場合

売却価格と買換価格の差額分は、繰延べの対象外となります。

シミュレーション例

項目金額
売却価格5,000万円
取得費2,000万円
譲渡費用200万円
譲渡益2,800万円

買換え特例なしの場合

税額 = 2,800万円 × 20.315% = 約569万円

買換え特例ありの場合(買換資産5,000万円以上)

課税される譲渡益 = 2,800万円 × 20% = 560万円
税額 = 560万円 × 20.315% = 約114万円
繰延べ税額 = 569万円 − 114万円 = 約455万円

買換え特例のメリット・デメリット

メリット

メリット内容
資金効率の向上税金を払わずに次の投資に資金を回せる
キャッシュフローの改善売却時の支出を抑えられる
資産の入れ替えより良い物件への買換えがしやすい

デメリット

デメリット内容
課税の免除ではないいずれ税金を払う必要がある
買換資産の取得費が下がる次の売却時に税負担が増える
適用要件が厳しい条件を満たさないと適用不可

投資用不動産での活用

活用しやすいケース

ケース理由
10年超保有の物件長期所有の買換え特例が適用可能
法人での投資要件を満たしやすい
事務所・店舗事業用資産に明確に該当

活用しにくいケース

ケース理由
5年程度で売却10年超の要件を満たさない
個人での住宅賃貸実務上、適用が難しいことも
買換資産の予定がない買換えが条件

申告手続き

必要書類

書類内容
確定申告書買換え特例の適用を記載
譲渡所得の内訳書売却した資産の詳細
買換資産の取得を証する書類売買契約書等
買換資産の事業供用証明賃貸借契約書等

買換資産が翌年取得の場合

売却年の確定申告で「買換資産の取得予定」を届け出ます。翌年に取得できなかった場合は、修正申告が必要です。

まとめ

  • 買換え特例は売却益の課税を将来に繰り延べる制度
  • 売却益の80%が繰延べ対象(20%は課税)
  • 10年超保有の事業用資産の買換えが主な適用パターン
  • 投資用不動産でも適用可能だが、要件は厳しい
  • 課税の「免除」ではなく「繰延べ」である点に注意
  • 適用の可否は税理士に相談して判断

買換え特例は、不動産投資の規模拡大や資産入れ替えに有効な制度です。適用要件を理解し、計画的に活用しましょう。

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