この記事でわかること

Q. 築古物件は家賃を下げ続けるしかないですか?
A. 必ずしもそうではありません。リフォームや設備追加で家賃を維持・上昇させることも可能です。ただし、エリアの相場が下落している場合は、ある程度の値下げは避けられません。競合物件の家賃をチェックし、適正な家賃設定を心がけましょう。
Q. 家賃を下げるタイミングはいつですか?
A. 空室が2〜3ヶ月以上続く場合は値下げを検討すべきです。特に繁忙期(1〜3月)を逃して空室が続く場合は、早めの値下げが有効です。空室期間の損失と値下げのバランスを考えて判断しましょう。
Q. 既存入居者から家賃値下げを求められたらどうすべきですか?
A. まず周辺相場を確認し、現在の家賃が相場より高いかどうかを判断します。相場より高い場合は一定の値下げに応じることも選択肢です。良い入居者の退去は空室リスクや募集コストにつながるため、慎重に判断しましょう。
家賃下落への対応|値下げ判断のタイミング
リスク管理 公開: 2025.01.15

家賃下落への対応|値下げ判断のタイミング

家賃下落リスクとは

家賃下落リスクとは、市場環境や物件の老朽化により、家賃収入が減少するリスクのことです。

築古物件では特に注意が必要なリスクの一つです。

家賃が下落する要因

要因内容
物件の老朽化築年数が進むほど下落傾向
エリアの需要低下人口減少、競合物件の増加
経済状況の変化景気後退、所得水準の低下
設備の陳腐化新しい設備との差

家賃下落の目安

築年数による下落

一般的に、築年数が進むと家賃は下落します。

築年数新築比
新築100%
築5年95〜98%
築10年90〜95%
築20年80〜90%
築30年70〜85%

※立地やメンテナンス状況により異なる

下落率の計算

年間下落率 ≒ 0.5〜1.0%
10年間で約5〜10%の下落

値下げ判断のタイミング

値下げを検討すべき状況

状況対応
空室が2〜3ヶ月以上値下げを検討
繁忙期を逃した早めに値下げ
内見はあるが決まらない家賃がネックの可能性
競合物件より明らかに高い相場に合わせる

値下げを急がなくていい状況

状況対応
空室1ヶ月以内様子見
繁忙期前繁忙期を待つ
内見自体が少ない募集方法を改善
競合物件と同程度他の改善策を検討

値下げの判断基準

空室損失 vs 値下げ損失

値下げによる損失と、空室による損失を比較します。

例:家賃6万円の物件

選択肢計算年間損失
空室2ヶ月6万円 × 2ヶ月12万円
家賃5,000円値下げ5,000円 × 12ヶ月6万円

→ 2ヶ月以上空室になるなら、値下げした方が損失が少ない

値下げ幅の目安

状況値下げ幅
軽微な調整1,000〜2,000円
通常の値下げ3,000〜5,000円
大幅な見直し5,000〜10,000円

一度に大幅に下げるより、段階的に下げる方が、適正価格を見つけやすいです。

値下げ以外の対策

1. 条件の見直し

対策効果
フリーレント実質値下げ、継続家賃は維持
敷金・礼金の減額初期費用の負担軽減
家具・家電付き付加価値の提供

2. リフォーム

値下げの代わりにリフォームで家賃を維持する方法もあります。

リフォーム効果
水回り改修家賃維持〜5%アップ
内装リフォーム家賃維持
設備追加(Wi-Fi等)家賃維持〜3%アップ

3. ターゲットの変更

変更効果
単身→カップル家賃アップの可能性
社会人→学生需要拡大
日本人→外国人需要拡大

既存入居者への対応

値下げ交渉への対応

既存入居者から値下げを求められた場合の判断基準:

確認事項対応
現在の家賃は相場より高いか高ければ一定の値下げ検討
入居者の支払い履歴は良好か良好なら関係維持を優先
退去された場合のコストは空室期間+リフォーム+募集費用

退去コストとの比較

退去時のコスト

  • 空室期間:2ヶ月分の家賃損失
  • リフォーム:10〜30万円
  • 募集費用(AD):1〜2ヶ月分

例:家賃6万円の場合

退去コスト:6万円 × 2ヶ月 + 20万円 + 6万円 = 38万円
→ 月3,000円の値下げなら10年以上で回収

長期入居してくれる良い入居者なら、一定の値下げに応じる価値があります。

家賃を維持するためのポイント

定期的なメンテナンス

  • 共用部の清掃
  • 設備の更新
  • 外壁・屋根の塗装

入居者満足度の向上

  • 迅速なクレーム対応
  • 更新時の感謝(小さなリフォームなど)
  • コミュニケーションの維持

まとめ

  • 家賃下落は築古物件の避けられないリスク
  • 空室損失と値下げ損失を比較して判断
  • 2〜3ヶ月の空室は値下げ検討のサイン
  • 値下げ以外の対策(フリーレント、リフォーム)も検討
  • 良い入居者の維持は長期的にコスト削減につながる

家賃の値下げは慎重に判断しつつ、空室による損失を最小限に抑えることが重要です。

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