この記事でわかること

Q. 家族に給与を払うと節税になりますか?
A. はい、適正な給与であれば法人の損金(経費)として認められ、節税になります。さらに、家族に所得を分散することで、累進税率の影響を抑える効果もあります。ただし、実際に業務に従事していることが条件です。
Q. 家族への給与額はいくらが適正ですか?
A. 業務内容と勤務時間に見合った金額が適正です。同様の業務を外部に委託した場合の相場を参考にしましょう。一般的に、経理事務で月8〜15万円、物件管理補助で月5〜10万円程度が目安です。
Q. 配偶者に給与を払うと配偶者控除はどうなりますか?
A. 配偶者の給与収入が103万円を超えると配偶者控除が使えなくなります。ただし、103万円以下であれば配偶者控除を維持しながら給与を支払うことも可能です。どちらが有利かシミュレーションして判断しましょう。
家族を従業員にする|給与支払いによる節税
法人戦略 公開: 2025.01.15

家族を従業員にする|給与支払いによる節税

家族従業員とは

家族従業員とは、法人が家族(配偶者、子供、親など)を従業員として雇用することです。

支払った給与は法人の損金となり、所得分散による節税効果が期待できます。

家族従業員のメリット

1. 法人の損金になる

家族への給与は、法人の経費として処理できます。

法人利益 1,000万円 − 家族給与 200万円 = 課税所得 800万円
→ 法人税の節税効果

2. 所得分散効果

パターン代表者のみ家族に分散
代表者所得1,000万円700万円
配偶者所得0円300万円
代表者税率33%23%
配偶者税率-10%

所得を分散することで、累進税率の影響を抑えられます。

3. 給与所得控除の活用

給与収入には給与所得控除が適用されるため、課税所得が減ります。

給与収入給与所得控除課税所得
103万円55万円48万円
200万円68万円132万円
300万円98万円202万円

家族従業員の要件

実際に業務に従事すること

税務上、家族給与が認められるには実際に業務に従事していることが必要です。

認められる業務例
経理・帳簿作成
物件の清掃・管理
入居者対応
書類作成・ファイリング
銀行振込・支払い業務

適正な給与額であること

業務内容と勤務時間に見合った適正な金額である必要があります。

業務内容勤務時間給与目安(月額)
経理事務(週5日)週20時間8〜12万円
経理事務(フル)週40時間15〜25万円
物件管理補助週10時間5〜8万円
清掃・メンテナンス週5時間3〜5万円

勤務実態を証明できること

税務調査に備えて、以下の記録を残しておきましょう。

  • 雇用契約書:業務内容、勤務時間、給与額を明記
  • 出勤簿:勤務日・時間の記録
  • 業務日報:具体的な業務内容の記録
  • 給与明細:毎月の支給記録

給与額の設定方法

ステップ1:業務内容の明確化

家族が行う具体的な業務を洗い出します。

ステップ2:勤務時間の設定

業務量に応じた現実的な勤務時間を設定します。

ステップ3:相場を調査

同様の業務を外部に委託した場合の相場を調べます。

  • パート・アルバイトの時給:1,000〜1,500円
  • 経理代行サービス:月額3〜10万円

ステップ4:適正額の決定

相場を参考に、業務内容と勤務時間に見合った金額を決定します。

配偶者への給与と配偶者控除

103万円の壁

配偶者の給与収入が103万円以下であれば、配偶者控除(38万円)を受けられます。

配偶者の給与配偶者控除節税効果(税率33%の場合)
103万円以下38万円約12.5万円
103万円超なし0円

103万円を超えるべきか

比較項目給与103万円給与200万円
配偶者控除ありなし
法人の損金103万円200万円
配偶者の税金約0円約5万円
総合節税効果約50万円約60万円

多くの場合、103万円を超えて給与を払った方が有利になります。

社会保険の扱い

扶養の範囲内(年収130万円未満)

  • 健康保険:配偶者の扶養に入れる
  • 年金:第3号被保険者(負担なし)

扶養を超える場合(年収130万円以上)

  • 健康保険:法人で加入(または国保)
  • 年金:厚生年金に加入
  • 社会保険料が発生(給与の約15%)

130万円の壁を意識する

社会保険の扶養を外れると負担が増えるため、130万円未満に抑えるか、大幅に超えるか検討が必要です。

注意点とリスク

1. 過大な給与は否認される

業務実態に見合わない高額な給与は、税務調査で否認されるリスクがあります。

2. 名目だけの雇用は認められない

実際に業務に従事していない「名目だけの雇用」は認められません。

3. 同族会社の行為否認規定

法人税法では、同族会社の行為で税負担を不当に減少させるものは否認できる規定があります。

4. 記録・証拠の保存

勤務実態を証明する書類は、最低7年間保存しましょう。

まとめ

  • 家族への給与は法人の損金となり、所得分散効果で節税できる
  • 実際に業務に従事し、適正な給与額であることが条件
  • 配偶者控除(103万円)と社会保険(130万円)の壁を考慮
  • 雇用契約書、出勤簿、業務日報で勤務実態を証明
  • 過大な給与や名目だけの雇用は税務調査で否認リスクあり

家族従業員の活用は有効な節税手段ですが、適正な運用が重要です。税理士と相談して進めましょう。

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