法人戦略 公開: 2025.01.15
法人経費の活用法|個人では落とせない経費
法人経費の特徴
法人の経費は、個人事業主よりも認められる範囲が広いのが特徴です。
法人化することで、より多くの支出を経費として計上でき、節税効果を高められます。
法人で経費にできる主な項目
1. 社用車
法人名義の車両は、減価償却費、ガソリン代、保険料、駐車場代などを経費にできます。
| 経費項目 | 内容 |
|---|---|
| 減価償却費 | 車両本体の償却(普通車6年) |
| ガソリン代 | 業務使用分 |
| 保険料 | 自動車保険 |
| 車検・整備費 | メンテナンス費用 |
| 駐車場代 | 月極駐車場など |
注意点
- 私的使用がある場合は按分が必要
- 高級車は業務上の必要性を説明できるように
- 走行記録をつけておく
2. 役員社宅
法人が賃借した物件を役員に提供し、役員から一定の家賃を徴収する制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 法人負担 | 大家に支払う家賃 |
| 役員負担 | 賃貸料相当額(家賃の10〜50%程度) |
| 経費計上 | 法人負担 − 役員負担 = 経費 |
メリット
- 役員は相場より安く住める
- 差額は役員の課税所得にならない
- 法人は家賃を経費計上できる
賃貸料相当額の計算 小規模住宅(床面積132㎡以下)の場合:
(固定資産税課税標準額×0.2%)+(12円×床面積)+(固定資産税課税標準額×0.22%)
3. 生命保険
法人契約の生命保険料は、一定の条件で経費(損金)にできます。
| 保険種類 | 損金算入 |
|---|---|
| 定期保険 | 全額損金 |
| 養老保険(福利厚生) | 1/2損金 |
| 終身保険 | 資産計上(損金不可) |
活用例
- 逓増定期保険:退職金準備と節税を両立
- 医療保険:役員の福利厚生として
4. 出張旅費
法人では「出張旅費規程」を定めることで、日当を経費にできます。
| 項目 | 個人事業 | 法人 |
|---|---|---|
| 交通費 | 実費のみ | 実費+日当可 |
| 宿泊費 | 実費のみ | 実費または規程額 |
| 日当 | 不可 | 可(規程による) |
日当の目安
- 国内出張:1,000〜3,000円/日
- 海外出張:3,000〜10,000円/日
5. 交際費
取引先との飲食費や贈答品は交際費として経費にできます。
| 区分 | 損金算入限度 |
|---|---|
| 資本金1億円以下 | 年間800万円まで |
| 資本金1億円超 | 交際費の50%まで |
注意点
- 1人5,000円以下の飲食費は交際費から除外可能
- 接待の記録(日時、相手、目的)を残す
6. 福利厚生費
従業員(役員含む)の福利厚生に関する支出です。
| 経費項目 | 内容 |
|---|---|
| 健康診断費用 | 人間ドック等 |
| 慶弔見舞金 | 結婚・出産・弔事 |
| 社員旅行 | 全員参加が原則 |
| 忘年会・新年会 | 全員参加が原則 |
個人事業では難しい経費
| 経費項目 | 個人事業 | 法人 |
|---|---|---|
| 自宅兼事務所の家賃 | 按分必要 | 役員社宅で有利 |
| 自家用車 | 按分厳格 | 比較的認められやすい |
| 生命保険料 | 所得控除(上限あり) | 全額損金可能な商品あり |
| 日当 | 不可 | 可(規程による) |
| 退職金 | 不可 | 可(損金算入) |
経費計上の注意点
1. 業務関連性
全ての経費は「業務に関連する支出」である必要があります。
2. 証拠書類の保存
領収書、請求書、契約書などは7年間保存が必要です。
3. 私的使用の按分
業務と私的使用が混在する場合は、適切に按分します。
4. 過大な経費は否認リスク
業務上の必要性を超える高額な支出は、税務調査で否認されるリスクがあります。
経費化のフロー
支出の発生
↓
業務関連性の確認
↓
証拠書類の保存
↓
仕訳・記帳
↓
決算で損金計上
まとめ
- 法人は個人事業より経費の範囲が広い
- 社用車、役員社宅、生命保険、出張日当などが活用可能
- 経費計上には業務関連性と証拠書類が必要
- 私的使用がある場合は適切な按分を行う
- 過大な経費は税務調査で否認されるリスクあり
法人経費を適切に活用することで、節税効果を最大化できます。ただし、過度な経費計上は避け、税理士と相談しながら進めましょう。


